アメリカ留学時代:大学入学の許可を得るまで

【2012.2.26 更新】

日本で、歯科関連のセミナーや講演を行っていると、参加者からのアメリカの大学時代のことについての問い合わせが後を絶ちません。
今回から、それらの質問にお答えするかたちで、アメリカの大学での歯科衛生士学生時代のことをお話ししたいと思います。

ボストン風景1
ボストン風景1

ボストン風景2
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アメリカボストンでもキティさんは人気です。
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アメリカ留学のきっかけと留学先の選択

アメリカの歯科衛生士学部に入学しようと考えたのは、日本の歯科衛生士学校時代に修学旅行と研修旅行を兼ねたアメリカ旅行に行った時の、実際アメリカの歯科衛生士達の仕事ぶりを見たことがきっかけでした。

アメリカの歯科衛生士学校に留学をするために学校について調べたのですが、とてもたくさんの歯科衛生士学校があり教育期間も2年制、3年制、4年制教育プログラムがあり、当時の私には違いも全くわかりませんでした。

そこで海外留学の手配をする日本の会社に各歯科衛生士学校のプログラム、学校のレベル、日本国籍でも入学可能かを調べて頂き、その結果、ハーバード大学とも提携している現在のThe Forsyth Instituteに、たどり着きました。

このフォーサイス歯科研究所は、1910年に創立された非営利独立機関で全人類の口腔保健促進に関する研究、教育、治療を行っており、教育部門に属するフォーサイス歯科衛生士学校は、当時は、ノースイースタン大学の歯科衛生士学部と提携(※今現在は他の大学と提携)していました。

フォーサイス歯科衛生士プログラムは、2年制教育、3年制教育、4年制教育プログラムが有ります。日本の学位で言えば、短大、大学の違いでしょうか?

当時の校長の教育方針は、患者の信頼にこたえるべく、高度にして厳格なる基準に従って最前線の新しい教育法を行うことでした。4年制コース(アドバンスプログラム)の教育修了者は、歯科衛生士の能力を最大限に発揮し、その社会的地位を高めることだとしています。
フォーサイス歯科衛生士に留学する学生は、ヨーロッパ、中東、アジアなどから自国ですでに、歯科衛生士としている方達です。(私もその一人です。)
これらのことを考慮し、歯科衛生士学校の歴史も長いこの学校に入学を決めました。

フォーサイス歯科衛生士学校への入学許可を得るために

入学を希望したからと言いましてもすぐ入学を許可されるわけではありません。フォーサイス歯科衛生士学校が、求めている入学基準をクリアしなければなりません。

入学基準(アドバンスデンタルハイジーンプログラム4年制教育)
・歯科医師の先生方からの推薦状
・高校生時と歯科衛生士学校での成績証明証
・TOEFLスコアー
・ノースイースタン大学が定めている英語の試験(writing,reading ,listening, grammar, conversation )
・ノースイースタン大学の無機化学の単位

このノースイースタン大学の無機化学の授業と実験の試験にパスするのが最初の難関でした。
教授は、授業をすごいスピードで進めて行ったので初めは驚きました。また無機化学の実験は生徒一人ずつ各自で実験を行います。実験方法を予習していかないと、実験をどのように行うのかわからないのです。
そして初めて、ビーカー、フラスコ、試験管に数多くの大きさがあることを知りました。時間の内に実験結果を出し、レポートを提出しなければならないのですが、実験中は、各生徒に与えられる物質が異なるため他の生徒に、私が与えられた物質について相談もできず、自分自身でもくもく実験を限られた時間と戦いながら行なわなければなりませんでした。そして実験後に得た物質から各個人に与えられた物質を当てなければなりません。実験を正確に行わなければ、物質がわからないのです。
わからなければ、点数がいただけませんので、毎回の無機化学授業後の実験は、非常に緊張の連続でした。

これらすべての試験を合格して初めて入学申請をフォーサイス歯科衛生士学校に行いました。

次のコラムはフォーサイス歯科衛生士学校入学後のことをお話します。